ルバーブ 香気と酸味のあるジャムを楽しむ
園芸研究家●成松次郎
ルバーブは特有の香気と酸味のある葉柄を利用する永年性の野菜です。太くて多汁質の葉柄は、ジャム、パイなどに利用しますが、葉身にはシュウ酸が多く含まれるので食用にできません。和名は食用大黄といい、漢方薬のダイオウと同属の植物で、原産地はロシア南東部からシベリア南部とされ、冷涼な気候を好みます。
[品種]
世界的には数十品種ほど栽培されていますが、「ビクトリア」(藤田種子など)は草勢が強く収量の多い品種です。
[育苗]
幼苗期の除草作業などを考慮して育苗するとよく、ハウスを利用し、2、3月に3寸ポットに4、5粒の種をまきます。その後間引きをして1本立ちにし、5月ごろまでに本葉4、5枚の苗に仕上げます(図1)。
[畑の準備]
植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰200gを全面にまいて、よく耕しておきます。植え付け溝は畝幅120cmとし、幅20cm、深さ20cmに掘り下げます。元肥は溝1m当たり堆肥を2kg、化成肥料(NPK各成分10%)100g程度を施し、土を戻します(図2)。
[植え付け・追肥]
大型野菜のため、株間を60cm程度に取り、苗を植え付けます(図3)。植え付けの年は、夏の初めと終わりに、溝を切って畝1m当たり化成肥料50gを与えます。翌年からは、冬(萌芽〈ほうが〉前)に畝1m当たり堆肥1kgと化成肥料100gを施用し、その後は初年度と同様に追肥をします。
[収穫]
初年度は収穫しないで、2年目から収穫を始めます。収穫法は30~50cmに伸びた葉柄を基部より手でかき取り、葉身は切り捨てます(図4)。一度に採葉し過ぎないように、次回は1、2週間後に収穫します。収穫期は5、6月で、収穫期間は2カ月程度にとどめておきます。
[その他の管理]
越冬した株が早春に萌芽し、その後、花茎の伸長(とう立ち)が始まりますが、開花・結実するとその後の生育が悪いため、花茎は早めに手で除去します。敷きわらは、泥はねを防ぎ、盛夏の干ばつ対策になります。なお、5、6年たつと草勢が衰えてくるので、植え替えをします。萌芽前の冬に掘り上げ、切り離す株に芽が付くように縦に切断し、株分けをします。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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